近年生産量が少なくなった、板場手付け染めの江戸小紋。
その中でも、人間国宝(故)児玉博氏の遺作の型紙を使って,
染師・浅野栄一氏が染め上げられた2点をご紹介します。
”タタミ目”柄を黒一色で染められた江戸小紋です。
縞彫りの型紙で、染める時に型紙が動かないように5~6mm間隔に横に細い糸を入れてあります。
毛万筋の江戸小紋です。
万筋の中でも、これ以上細く彫ることは不可能と言われるくらい
最高の技術を駆使して彫られた型紙です。
型紙は、特別に薄く強く漉かれ、柿渋を引きさらに強くした、伊勢型紙でつくられた唐紙です。
型紙を留めた横糸の跡が、写真でもわずかに見えると思います。
これが、本当の万筋の特徴でもあると思います。
遺作の型紙のため、染める度に型紙が傷んでくるので、あとどれくらい染められるかが心配です。
現在ある反物がいかに希少価値が高いかが、ご理解できると思います。
関心のある方は是非ご来店ください。